
家族の介護で仕事を休む場合の保障ってあるんかな?
「親の介護で仕事を長期間休むこと」が一般的とは言えませんが、仕事と介護を両立する人が増えています。
介護休業の利用も広がりつつあるというのは現実です。
もし親の介護が必要となったら、あなたを含めた家族でしっかりと今後のことを相談する時間を取りたいですよね?
しかし、仕事と話し合いの時間の両立は難しいと思います。
たとえ施設に入る方向で決まったとしても、どこにするのかを調べたり、実際に見学に行ったりという時間が必要です。
働きながらこれらのことを余裕をもってすすめられるでしょうか?
「給料のことを気にしないで、大切な家族のために1〜2ヶ月仕事を休めたら・・・。」
そのお金の面の不安にしっかりと備えてくれているのが共済です。
私は、公立学校共済組合の制度は最強だと思っています。
しかし、この制度について研修や説明もなく、定期的に冊子が机上に置かれているだけですよね?
私たちは毎月の給料から天引きされているにもかかわらず、その制度を詳しく理解できていないのが現状です。
このような「心に余裕を持って安心して働くために必要な知識」は、自治体の初任者研修で扱うべき内容でしょう。
人は、自分に余裕があるからこそ他人のために頑張れるものです。
教師には熱い心を持ち、子どもたちのために一生懸命働く素敵な方がたくさんいます。
私自身もそんな素晴らしい先生方との出会いを通じて、多くのことを学び、今があります。
しかし、「共済のHP、ややこしくて読んでもよくわからない!」という声をたくさん聞いてきました。
私自身も強くそう思います!
普段、家電の説明書を最初から最後まで読むタイプの私ですが、共済の制度を理解するのに苦労しました。
教師の保障はとても手厚いのに、その事実がほとんど知られていないのは大問題です!
「これはアカン!」
私は一人でも多くの先生にこの制度を知ってほしいと思い、情報発信をしています。
共済制度を知ることが、心の余裕につながると信じています。
- 『教師として長年頑張っている人』
- 『教師になりたての人』
- 『これから教師を目指す人』
すべての先生に、ぜひ知ってほしい!
- 「共済のHPを見たことはあるけれど、よく分からなかった」という人
- 「そもそも見たことない」という人
このような方が「なるほど」となるようにしたい!
そんな思いを込めて、わかりやすく解説していきます(^^)
2024年にプライベートでFP3級の資格を取得するために、共済制度を隅々まで確認しました。
詳しいユタカ先生のプロフィールはこちらから
今回は『共済組合の介護休業手当金の仕組み』について解説します。
標準報酬月額はそれぞれ異なるので個別で計算しなければいけません。
この計算を「だれでも、無料で、簡単に、自動計算」してくれるようにしてみました。
ぜひ、ご自身の場合で試してみてください。
自分の介護休業手当金をChatGPTで計算
手順①:下記の文章をコピーし、ChatGPTに貼り付けましょう。
手順②:【かっこ】内の条件を入力しましょう。
私は公立学校の教員です。もし、家族の介護で仕事を休業する際の介護休業手当金がいくら受給できるか計算したいです。
介護休業の期間:【●年●月●日〜●年●月●日】です。
介護が必要な家族の関係:【配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、孫、兄弟姉妹、 父母の配偶者、配偶者の父母の配偶者、子の配偶者、配偶者の子、その他】です。
介護が必要な家族の年齢:【●歳】です。
同居の有無:【同居している・同居していない】
認定区分:【要支援1・要支援2・要介護1・要介護2・要介護3・要介護4・要介護5・その他】です。
私の標準報酬月額:440,000円(02級060号給)】です。
受給要件について
・次のすべてを満たすことが必要です。
①介護が必要な家族がいること
②介護休業の承認を受けていること
③完全に勤務に服していないこと
給付期間について
・最大66日間です。
・介護休業を分割して取得しても、合計で66日以内であれば、その範囲内の日数に対して給付がされます。
給付額について
・給付額 =「1日あたりの介護休業手当金額」×「給付日数」です。
・標準報酬日額 = 「標準報酬月額」÷30です。
・1日あたりの介護休業手当金額 =「標準報酬日額」×67%です。
※ただし、1日あたりの介護休業手当金額の上限額は次の通りです。
期間 | 1日あたりの介護休業手当給付上限相当額 |
平成28年8月から平成29年7月まで | 14,207円 |
平成29年8月から平成30年7月まで | 14,992円 |
平成30年8月から平成31年3月17日まで | 15,075円 |
平成31年3月18日から令和元年7月まで | 15,093円 |
令和元年8月から令和2年2月まで | 15,230円 |
令和2年3月から令和2年7月まで | 15,221円 |
令和2年8月から令和3年7月まで | 15,294円 |
令和3年8月から令和4年7月まで | 15,102円 |
令和4年8月から令和5年7月まで | 15,266円 |
令和5年8月から令和6年7月まで | 15,513円 |
令和6年8月以降 | 15,778円 |



1日あたり約1万円を受給できる!
制度の内容を詳しく知りたい方は、以下も読んでみてください。
多くのリスクをカバーする制度「社会保険」
●社会保険は、日本の公的保険制度の一つで、国民の生活を支えるために設けられた仕組みです。
主に病気や老後、失業、介護などのリスクに備えるために、個人や企業が保険料を支払い、その対価として給付を受けることができます。
年金保険:老後の生活費、障害が生じた場合の生活費、死亡後の遺族の生活を支える。
介護保険:高齢者の介護サービス、介護費用を軽減。
雇用保険:失業時や育児・介護休業時の生活を支える。(今回はココ)
労災保険:業務中や通勤中の事故や病気に備える。

詳しくはこの記事で解説しています。
【教員夫婦に必要な保険は?】生活を守りつつ無駄をなくすための考え方を徹底解説!
雇用保険とは?
雇用保険とは、『労働者が失業したときに生活を支えるための公的な保険制度』のことです。
主に次のような給付があります。
① 失業手当
↳仕事を失った人が、新しい仕事を探す間の生活を支えるために受け取る給付金
② 再就職手当
↳失業給付を受け取っている人が、早期に再就職した場合に支給される給付金
③ 教育訓練給付金
↳働く人や求職中の人が、スキルアップのために指定された講座を受けた場合に支給される給付金
④ 育児休業給付金
↳育児休業を取得した労働者に支給される給付金
⑤ 介護休業給付金
↳家族介護のために休業した場合に支給される給付金
上記のうち「①失業給付」「②再就職手当」「③教育訓練給付金」については、公立学校共済組合の給付制度に含まれていません。
介護休業手当金とは
介護休業手当金は、『要介護家族の介護を事由として介護休業の承認を受けて学校等を休むときの所得を保障するための給付』のことです。
日本では、介護休業を取ることによって生じる所得の減少を保障するため、一定の条件を満たすと雇用保険から手当金が支給されます。
介護休業を取っている間の生活費や支出をサポートする役割を果たします。
具体的な条件や支給額は、介護休業を取得する対象となる家族の状況によって異なります。
また、介護休業を取得する期間や、休業前の収入水準も影響します。

受給要件
次のすべてを満たすことが必要です。
①介護が必要な家族がいること
②介護休業の承認を受けていること
③完全に勤務に服していないこと
①介護が必要な家族がいること
介護休業を取得する対象となる家族は、介護を必要とする状態である必要があります。
具体的には、介護認定を受けている家族が対象になります。
介護認定とは、介護が必要な状態にあるかどうかを判定するための制度です。
この認定を受けることで、介護保険のサービスを利用できるようになります。
介護保険法に基づき、65歳以上の高齢者と、40歳以上64歳以下の特定疾患にかかっている人が対象となります。
ここでいう家族は次の通りです。
● 配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、孫、兄弟姉妹
●※ 父母の配偶者、配偶者の父母の配偶者、子の配偶者、配偶者の子
※組合員との同居が要件となります。
認定区分
● 要支援1・要支援2:介護が必要だが、軽度な支援で生活できる状態
● 要介護1・要介護2・要介護3・要介護4・要介護5:日常生活において多くの支援や介護が必要な状態
要支援1(軽度の支援が必要な状態)
日常生活の中で、自分でできることも多いですが、一部の生活面で助けが必要です。
・食事の準備や掃除・洗濯を少し手伝ってもらう
・入浴時に立ち上がりが不安定で、少し手助けが必要
介護サービス:このレベルでは、主に介護予防を目的とした支援が行われます。
デイサービスや訪問介護を利用して、生活能力を維持するための支援が中心となります。
要支援2(支援が必要な状態)
日常生活の中で、家事や身の回りのことに対して、もう少しサポートが求められます。
・服を着る、食事を作るなど、いくつかの生活面でサポートが必要
・外出時や移動時に支えが必要
介護サービス:要支援1と同様に介護予防が主な目的です。
要介護1(介護が必要な状態)
日常生活の多くで、自立して行動するのが難しく、他者の手助けが求められます。
・食事の準備や服の着替えができない
・入浴時に全面的な手伝いが必要で、一部介助があっても自分でできない
介護サービス:訪問介護やデイサービスなど、日常的に生活支援を受けることが求められます。
要介護2(介護が更に必要な状態)
日常生活のほとんどのことに介護が必要な状態で、身体的な援助が重要になり、独立して生活するのが難しくなっています。
・食事の摂取や排泄、移動が自力では難しく、常に介助が必要
・入浴や身の回りのことをすべて他者に助けてもらう
介護サービス:訪問介護やデイサービスを頻繁に利用します。ショートステイやリハビリなども利用されることがあります。
要介護3(高度な介護が必要な状態)
日常生活のすべてに介護が必要な状態で、ほとんどすべての行動に支援を必要とします。
・食事、排泄、移動、入浴などの基本的な生活支援がすべて他者の援助を必要とする
・意識障害や体調の変動があり、自己管理がほとんどできない状態
介護サービス:全介助が必要となり、家庭での介護が難しくなります。訪問介護やデイサービスを中心に、ショートステイや施設での長期ケアが求められます。
要介護4(非常に高度な介護が必要な状態)
一切自力でできず、全ての生活活動において支援が不可欠な状態で、認知症や身体機能の著しい低下により、常に介護が必要です。
・食事、排泄、移動、入浴などすべての基本的なことに対して介助が必要
・体位変換や寝たきり状態が多い
介護サービス:特別養護老人ホーム(特養)や介護施設での入所生活が必要となることが多く、訪問介護やデイサービスの頻度も非常に高くなります。
要介護5(最も重度の介護が必要な状態)
重度の障害や認知症、高齢などが原因で、終日介護が不可欠な状態です。
・全ての食事、排泄、移動、入浴などにおいて全面的な介助が必要
・ほとんど全ての時間に介護が求められ、専門的なケアが必要な場合が多い。
介護サービス:施設での24時間介護が基本となり、医療的な支援や看護が併せて必要となる場合があります。
②介護休業の承認を受けていること
この休業を取得するためには、事前に勤務先からの承認を受けることが重要です。
事前承認を受けないと、正式な休業とは認められず、介護休業手当金の支給対象外になります。
介護休業を取るには、通常、次の手順が必要です。
1.事前申請
介護が必要な家族がいることが分かった時点で、勤務先に対して介護休業の申請を行います。
具体的に介護が必要な家族の状況や、休業予定日などを明記する必要があります。
2.勤務先による審査と承認
勤務先は、申請内容を確認し、休業が認められるかどうかを判断します。
特に、介護休業の理由や必要性、業務の状況を考慮して承認するかどうか決めます。
3.承認後の休業取得
承認が下りた後、正式に介護休業を取ることができます。
この承認後、休業中に介護休業手当金の支給対象となります。
③完全に勤務に服していないこと
介護休業手当金は、介護が必要な家族の介護を理由に休業を取得した期間に支給されるものです。
この手当金は、実際に休業している期間、つまり仕事に行かずに介護に専念している期間に支給されます。
したがって、休業中に勤務を再開した場合、その日数は手当金の対象外となります。
給付期間
最大66日間です。
介護休業を分割して取得しても、合計で66日以内であれば、その範囲内の日数に対して給付がされます。
ただし、休業中に実際に出勤した日や、休業を中断した期間は支給対象外となります。
給付額
標準報酬日額の67%が基本となり、上限額が設定されています。
この上限額は年度ごとに異なり、給与の一部が支給される場合、その分は手当金から控除されます。
給付上限相当額
以下は、過去の給付上限相当額です。(1日あたりの支給上限額)

公立学校共済組合は最強!!
今回は、身内の介護のために仕事を長期間休むときの介護休業手当金を簡単に自動で計算し、およその受給額を把握しました。
「よくわからない、でも不安だな…」
「保険に入っておけば安心だな!」
この考えで民間保険に加入は筋が悪いです。
感情で判断するのではなく、理性で判断しましょう。
また、制度についても詳しく解説しました。
教師であるあなたは知っている!そして、生徒に語ってきたはずです!
「素直にコツコツ頑張れる人が最終的に良い結果を得られる」と。
『経済的』余裕を手に入れるための勉強を始めるあなたは『生徒』です。
ぜひ、自分の場合はいくらの保障があるのかを計算してください。
それをしなければ、本当に必要な民間保険を判断できません。
素直に受け入れてみましょう。
そして、コツコツ1つずつ行動しましょう。
そうすれば、気付けば私が掲げる『豊か先生』になれているはずです。
「生活(お金)のために教師をやめられない・・・」ではなく、
「教師という仕事から得られる価値のために働きたい」という先生にあふれた職場になると、ステキな教育環境になると本気で信じています。
ぜひ、みなさんが「豊か先生」となり、充実した人生を過ごしていただけたら、同じ先生である私も嬉しいです。(*^^*)
ブログを通じて、教師としての考え方やノウハウを共有するだけでなく、将来を担う子どもたちや教育現場に少しでも良い影響を与えられるよう、今後もコツコツと発信を続けていきます。
このブログが、読んでくださる方々にとって「気づき」や「ヒント」となれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました(^^)
おわり。
コメント