【教員が忙しい理由10選】忙しさの要因を把握して、少しずつ負担を減らそう!

「毎日仕事に追われて、気づけばもう夜…。」
「休憩時間も取れずに次から次へと業務が押し寄せる。」
「こんなに忙しいのに、なぜ仕事は終わらないんだろう?」

教員の皆さんなら、一度はこう感じたことがあるのではないでしょうか。

授業準備に加えて、生徒指導や部活動、事務作業と、やるべきことは山積み。
心も体も疲れ果ててしまうこともありますよね。

なぜ、教員はここまで忙しいのでしょうか?

「授業だけをしているわけではない」とは分かっていても、具体的に何が負担になっているのかを整理することで、改善の糸口が見つかるかもしれません。

そこで今回は、『教員が忙しい理由10選』を紹介します。

① 忙しさの原因を整理し、何に時間を取られているのかが明確になる
② 具体的な負担を可視化することで、対策を考えるヒントになる
③ 他の教員と共感し合い、ストレス軽減につながる

教員の忙しさは、一つの要因ではなく、さまざまな業務が重なり合って生じています。

まずは現状を正しく把握し、できるところから改善していくことが大切です。
それでは、具体的な理由を見ていきましょう。

教員が忙しい理由 10選

1. 授業準備に時間がかかる

なぜなら、教科書の内容をそのまま伝えるだけではないからです。
子どもが興味を持ち、分かりやすく理解できるように工夫するからです。

  • 授業の流れを考える(子どもの学びのステップ)
  • 重要なポイントを整理する(特に大切な部分は何か)
  • イラストや写真、動画を用意する(視覚的に興味を惹く教材)
  • 子どもの学びが深まる問いを考える(適切で深まる課題)
  • 自ら考え、話し合い、深く理解する場面をつくる(主体的で対話的で深い学び)

単なる「覚える学習」ではなく、「活用できる学習」が求められています。

教員は子どもの主体性を引き出し、対話の場を作り、深い学びにつながる問いを投げかける授業を創造するために多くの時間を費やします。

授業づくりに終わりがないから、やろうと思えばどこまでも授業準備に時間を費やしてしまいます。

より良い授業を目指すほど、時間を削るのが難しくなります。

2. 膨大な事務作業がある

教員は、授業以外にたくさんの事務作業をこなさなければならないからです。
学校の運営には多くの管理作業が必要です。

成績のつけ方や出席の確認、校務分掌、保護者への連絡や報告書の作成など、年々、細かい作業が増えてきています。

  • 毎日生徒の出席を確認 ➡ その情報をシステムに入力
  • 成績をつける ➡ 子ども、保護者に伝えるための資料作成
  • 学校行事の計画や準備 ➡ 会議に参加 ➡ 開催、運営
  • 子どもの支援計画作成 ➡ 実行 ➡ 報告資料の作成

つまり、教員が忙しいのは授業だけでなく、こうした膨大な事務作業にも多くの時間を取られているからです。

1人あたりの業務量が多かったり、多岐にわたっていたり、短期間に膨大な業務量がのしかかってしまったりなど、与えられた時間に対して事務作業量が多いのが要因となっています。

3. 部活動の指導が長時間に及ぶ

部活動の指導は、授業後や休日にも行われることが多く、そのため教員の仕事が長時間になりがちです。

練習や試合、遠征などが含まれており、これらの活動は授業以外の時間を使って行われます。

例えば、朝練習があったり、放課後に練習をしたり、土日には試合や遠足があったりするため、教員は子どもと一緒に多くの時間を過ごすことになります。

そのため、教員の働く時間が長くなります。

  • 7時30分から朝練
  • 午前、授業に授業
  • 放課後に練習
  • 土日には試合や遠征

休む暇もなく、長時間の勤務が続くことになります。

子どもたちの成長を見守り、指導・支援するためにはこうした時間が必要ですが、その分、教員の負担は大きくなります。

4. 保護者対応が多い

教員は保護者からの連絡や対応が多くて、忙しくなりやすいです。

  • 子どもの成績
  • 生活態度
  • 学校での様子

上記についての質問や悩みの連絡、対応がどうしても生じます。

例えば、子どもが授業中に困っていることがあると、保護者が先生に電話をかけてきたり、面談をお願いしてきたりします。

また、行事や学校の予定が変更になったときも、保護者に連絡しなければならないことがあります。
さらに、クレームや心配事があった場合には、それに対応する時間も必要になります。

つまり、保護者対応が多いのは、子どものことを心配する親の気持ちに応えるためであり、保護者のケア教員の仕事の一部になっているのは事実です。

電話や面談、クレーム対応など、保護者からの連絡が夜遅くや休日にも入ることがあり、負担が大きいです。

5. 指導に時間を取られる

教員が子どもの生活や学校生活での問題に対処するために多くの時間を使わなくてはなりません。
これは仕事の中でかなり重要な部分ですが、同時に時間を多く取られることでもあります。

なぜ生徒指導に時間がかかるのかというと、いくつかの理由があります。

例えば、問題行動を起こした生徒と一緒に話して理解し合うためには、時間と労力が必要です。

また、不登校やいじめの問題が発生した場合、その解決には慎重な対応が求められます。
そして、解決までに時間がかかることが多いです。

教員は、生徒一人ひとりに対してしっかり向き合わなければならないからです。

  • 子どもが授業中に何度も授業に悪い影響を及ぼす言動をとる
  • どうしてそんな行動を取っているのかを理解するために、個別に対応する
  • 心の中に何か問題がある場合もあり、じっくり向き合う
  • いじめやトラブルの対応

このように、生徒指導には時間がかかることがありますが、生徒が安心して学校生活を送るために重要な役割を果たしています。

教員が時間をかけて丁寧に対応することで、学校全体の環境が良くなり生徒の成長にもつながりますが、膨大な労力を費やすのは事実です。

6. 会議が多く、長時間かかる

会議は、教員が集まって意見を交換したり、学校の方針を決めたりする時間です。
しかし、会議が多くて長時間かかると、他の大事な仕事をする時間がなくなってしまいます。

会議が多くて長時間かかる理由は、学校の運営やコミュニケーションを円滑に進めるために必要だからです。

学校は、先生たちが協力して生徒のために良い環境を作り出さなければならないので、意見を交換する会議はとても大切です。

しかし、その分会議が多くなり、時間も長くかかってしまうことがあります。

会議の種類もたくさんあります。

  • 教科会議
  • 校務分掌会議
  • 不登校生徒対策会議
  • 支援会議
  • いじめ対策防止会議
  • 学年会議
  • 職員会議

たとえば、ある週には、学年の先生たちが集まって生徒の進捗や問題を話し合う学年会議がある。
さらに学校全体の方針を決める職員会議もあります。

これらの会議は、すべて長時間かかることが多く、他の大事な仕事をする時間が圧迫されてしまいます。

会議の時間が多くなればなるほど、他の業務を行う時間が減ってしまいます。

7. 行事の準備と運営が大変

例えば運動会や文化祭、修学旅行などの準備は、非常に多くの時間と労力がかかります。

教員はただ授業をしているだけではなく、これらの行事のためにたくさんの準備をしなければなりません。

なぜなら、行事にはたくさんの準備や計画が必要だからです。

  • 入学式 ➡ 式の内容、順番決め、会場の設営、保護者への連絡
  • 運動会 ➡ 競技の計画、練習の進行、用具の準備
  • 文化祭 ➡ 展示物や出し物の準備、会場の設営、タイムスケジュールの調整
  • 修学旅行 ➡ 旅行先の選定、交通手段、宿泊先の手配、全体のスケジュール作成
  • 卒業式 ➡ プログラム作成、卒業証書の準備、式の進行、会場設営、地域の方々への連絡や調整

運動会だけをとってみても、前もって競技の内容を決めたり、参加する生徒を分けたりします。
また、保護者や地域の方々との連絡も欠かせません。リハーサルもします。
もちろん、当日の運営もあります。

先生たちは忙しい授業の合間に、こうした行事の準備をしなければなりません。

しかし、これらの行事は生徒たちにとっても大切な経験であり、計画をしっかりと立てて運営することで、実りの多い行事にできます。

教員として行事の準備をきちんと行うことは、すごく重要な仕事の一つであり、合わせて大きな負担も生じます。

8. 突発的な仕事が頻発する

教員の仕事には突然発生する仕事が多く、その対応が忙しさの原因の一つです。

普段、教員は授業の準備や生徒指導をしている時間が大半ですが、予期しないことが起こることがあります。

例えば、

  • 生徒がケガをする
  • 急に保護者からの連絡が入る
  • トラブル
  • 急な会議

こうしたことは、計画していた仕事を中断して対応しなければならないため、さらに忙しくなります。

放課後に授業の準備をしているとき、突然生徒がけがをして保健室に行くことになります。
その対応をしている間、次にやらなければならない仕事が後回しになってしまいます。

こうした急な仕事が繰り返し発生すると、予定していた仕事が終わらないことが多く、ストレスが溜まります。

教員は計画通りに進まないことが多く突発的な仕事がたくさんあるため、とても忙しく感じてしまうのです。

9. ICTの活用や新しい教育方針への対応

ICT(情報通信技術)や新しい教育方針への対応は、教員にとって忙しさの原因の一つです。
授業の方法や準備を大きく変える必要があります。

  • タブレットやパソコンを使った授業を取り入れるためには、使い方を学び、準備を整える必要があります。
  • オンライン授業や生成AIの利用方法を学ぶための勉強時間も必要です。

これらの準備や対応は、新しいことに挑戦するため、どうしても時間がかかります。

タブレットを使って授業を行う場合、授業に必要なアプリやソフトを準備するだけでなく、インターネットの接続が正しく行われているか確認したり、生徒一人ひとりが問題なく操作できるようにサポートしたりしなければなりません。

また、生成AI(人工知能)を授業に取り入れる場合、AIがどのように役立つかを学び、それをどのように生徒に使わせるかを考え、準備する必要があります。

このように、新しい技術や方針に対応するためには、時間と労力が必要です。

これが教員の忙しさを増す要因の一つとなっています。

10. 勤務時間外にも仕事をしてしまう環境

教員は、勤務時間外にも仕事をしてしまう環境にあります。
これが原因で、十分な休息が取れず、疲れがたまりやすくなります。

  • 教員の仕事は、授業をするだけではありません。
    ↳授業の準備や、部活動の指導、保護者対応など、さまざまな業務がある
  • 授業が終わった後や休日でも仕事をすることが必要になってしまいます。

例えば、授業の準備をするために、朝早く学校に行って、放課後や休日にも教材を作ったり、プリントを作成したりすることがあります。

また、部活動の指導も放課後や土日には長時間必要になり、休む時間がほとんどないことがあります。

このような状況が続くと、休息を取る時間が少なく、体や心が疲れやすくなります。

早朝や夜遅くに仕事をしたり、休日にも教材研究や研修に時間を取られたりして、休みが少なくなります。

まとめ

教員の「忙しさ」は、授業準備だけでなく、多岐にわたる業務が絡み合うことで生じています。

まずは何に時間を使っているのかを明確にし、少しずつ負担を減らせる方法を考えていきましょう。

①授業準備に時間がかかる
②膨大な事務作業がある
③部活動の指導が長時間に及ぶ
④保護者対応が多い
⑤生徒指導に時間を取られる
⑥会議が多く、長時間かかる
⑦行事の準備と運営が大変
⑧突発的な仕事が頻発する
⑨ICTの活用や新しい教育方針への対応
⑩勤務時間外にも仕事をしてしまう環境

教員の「忙しい」は、単なる業務過多ではなく、「突発的な仕事」「多岐にわたる業務」「終わりのない準備」が重なっていることが原因です。

「忙しさ」を改善するためには、次のようなことに取り組みましょう。

✅️業務の整理
↳何に時間を使っているか把握し、優先順位をつける。

✅️効率化
↳授業準備や事務作業をICTツールを使って効率化。

✅️業務調整
↳保護者対応は定期的にまとめて行う。
↳生徒指導は一貫した方針で対応し、早期に支援が必要な生徒を発見する。

✅️会議改善
↳会議内容を精査、時間を短縮、ツールを活用する。

✅️突発的な仕事対策
↳突発的な仕事はある程度、予測して柔軟に対応できるよう準備する。

✅️連携強化
↳上司や同僚と協力し、負担を分け合う。

まずは自分が変わる。

次に近しい人を巻き込む。

そして、「業務負担を少しずつ軽減していこう」という文化を醸成していきましょう。

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